文芸公募ニュース　4.11更新　文芸ニュース拾い読み

2025/04/11

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文芸ニュース拾い読み

夏目漱石の自筆原稿、見つかる！

夏目漱石の代表作、『吾輩は猫である』と『坊っちゃん』の自筆原稿が確認された。
原稿はペン書きで、『吾輩は猫である』は終盤の第10章の62枚、『坊っちゃん』は作品全体の150枚。
自筆原稿はいずれも1995年に松山市で開かれた展示会の図録に掲載されたあと、行方不明になっていたが、天理大付属天理図書館が2019年に古書店から購入し、鑑定の結果、漱石の直筆であると確認された。
両作品は1905～1906年に俳句雑誌「ホトトギス」で発表されたものだった。

2025年本屋大賞は阿部暁子『カフネ』

2025年本屋大賞は、1次投票には全国の488書店、書店員652人、2次投票では 336書店、書店員 441人の投票があり、その結果、大賞は阿部暁子『カフネ』に決まった。

トップ10は以下のとおり。
①カフネ（阿部暁子著、講談社）
②アルプス席の母（早見和真著、小学館）
③小説（野崎まど著、講談社）
④禁忌の子（山口未桜著、東京創元社）
⑤人魚が逃げた（青山美智子著、PHP研究所）
⑥spring（恩田陸著、筑摩書房）
⑦恋とか愛とかやさしさなら（一穂ミチ著、小学館）
⑧生殖記（朝井リョウ著、小学館）
⑨死んだ山田と教室（金子玲介著、講談社）
⑩成瀬は信じた道をいく（宮島未奈著、新潮社）

阿部暁子さんは、岩手県出身。2008年に『いつまでも』（刊行時『屋上ボーイズ』に改題）で第17回ロマン大賞（現在はノベル大賞に統合）を受賞し、コバルト文庫からデビュー。
本屋大賞は錚々たるメンバーを押しのけての受賞。今年は大躍進の年になりそうだ。

第49回川端康成文学賞は奥泉光「清心館小伝」

第49回川端康成文学賞は、奥泉光「清心館小伝」に決まった。
川端康成文学賞は、珠玉の短編小説に与えられる賞。選考委員は荒川洋治、角田光代、辻原登、堀江敏幸、村田喜代子の各氏だった。
奥泉光氏は、1956年山形県生まれ。芥川賞作家でもある。代表作には『ノヴァーリスの引用』『石の来歴』『東京自叙伝』などがある。

第44回新田次郎文学賞は、木下昌輝『愚道一休』

第44回新田次郎文学賞は、木下昌輝『愚道一休』（集英社）に決まった。
新田次郎文学賞は、小説、伝記、エッセイおよびノンフィクション等の形式のいかんを問わず、史実・事実に基づいた文学または自然界（山岳、海洋、動植物等）に材を取った文学に与えられる。
木下昌輝さんは、ハウスメーカー勤務、フリーライターを経て、2012年にオール讀物新人賞を受賞。歴史・時代小説家として活躍している。
『愚道一休』は、一休さんで知られる一休宗純が主人公。出生の秘密を背負いながら、女性と酒を愛し、風狂を尽くして80代にいたる生涯を追いかけた歴史小説。

第10回渡辺淳一文学賞は、木下昌輝『愚道一休』