7月16日、第173回芥川賞・直木賞の選考会が行われ、発表となったが、両賞とも該当作なしだった。両賞とも該当作なしとなったのは1998年の第118回以来、27年ぶり。
候補作は、以下のとおり。

芥川賞候補作
グレゴリー・ケズナジャット「トラジェクトリー」
駒田隼也「鳥の夢の場合」
向坂くじら「踊れ、愛より痛いほうへ」
日比野コレコ「たえまない光の足し算」

直木賞候補作
もう読んだ人も多いと思いますが、ここからは読書案内を兼ねましょう！

逢坂冬馬「ブレイクショットの軌跡」
逢坂冬馬さんは、『同志少女よ、敵を撃て』で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。公募ガイド社ではWEBでインタビューしました。『ブレイクショットの軌跡』は人間の多様性と不可解さをテーマに、8つの物語の「軌跡」を奇跡のような構成力で描き切った、『同志少女よ、敵を撃て』を超える傑作と「評判です。

青柳碧人「乱歩（らんぽ）と千畝（ちうね） RAMPOとSEMPO」
青柳碧人さんは、第3回講談社Birth小説部門を受賞してデビュー。『乱歩と千畝』は大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝が主人公。まだ何者でもない青年二人は新しい歴史を作り、互いの人生を交差させて感動の最終章へ。泣ける小説。

芦沢央「嘘と隣人」
芦沢央さんは、第3回野性時代フロンティア文学賞（現・小説野性時代新人賞）を受賞してデビュー。公募ガイドではデビュー当時に出てもらいました。『嘘と隣人』は定年退職した元刑事を主人公に据えた連作短編集で、現代社会の闇に切り込む鋭い洞察力と、読者を驚かせる展開が特徴。発売と同時に話題になったミステリー。

塩田武士「踊りつかれて」
塩田武士さんは、第5回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー。公募ガイドでは山田風太郎賞を受賞したときに出てもらい、その後、連載もしてもらいました。『踊りつかれて』は現代のテロリストが主人公。首相暗殺テロが相次いだあの頃、インターネット上にももう一つの爆弾が落とされていた。ブログに突如書き込まれた「宣戦布告」。ひっそりと音を立てずに爆発したその爆弾は時を経るごとに威力を増し、やがて83人の人生を次々と壊していく。

夏木志朋（しほ）「Ｎの逸脱」
夏木志朋さんは、第9回ポプラ社小説新人賞を受賞してデビュー。『Ｎの逸脱』は、「場違いな客」「スタンドプレイ」「占い師B」からなる短編集。追う者と追われる者が入れ替わり、善と悪が反転していく予測不可能な展開――隣の人たちが繰りひろげる３つの物語。

柚月裕子「逃亡者は北へ向かう」
柚月裕子さんは、第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞してデビュー。公募ガイドに出てもらったこともあります。『逃亡者は北へ向かう』は、東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。雪がちらつく三月、震災直後に殺人を犯した真柴亮は逃亡中に家族とはぐれた少年と出会う。一方、刑事の陣内は家族を津波で亡くしながらも真柴を追う。つらさに耐えながら前に進もうとする物語。

「該当作なし」が話題となり、6作ともさらに人気となるといいですね。
作家志望の方は業界振興のために必ずどれか買うこと！


文芸公募ニュースバックナンバー
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2025.7.11更新　発表：第31回小諸・藤村文学賞、ほか
2025.6.27更新　発表：第10回仕事のルビー　働くサファイア、ほか
2025.6.13更新　発表：第71回江戸川乱歩賞、第17回角川春樹小説賞、ほか
2025.5.23更新　発表：第68回群像新人文学賞、第41回太宰治賞、ほか
2025.5.9更新　発表：第24回長編児童文学新人賞、第15回集英社みらい文庫大賞、ほか
2025.4.25更新　発表：第32回松本清張賞、第19回小説現代長編新人賞、ほか
2025.4.11更新　発表：第2回東京中野文学賞、第130回文學界新人賞、ほか
2025.3.28更新　発表：第5回フレーベル館ものがたり新人賞、第33回やまなし文学賞、ほか
2025.3.14更新　発表：第15回日本語大賞、第2回美郷文芸エッセイ賞、ほか
2025.2.28更新　発表：第8回青い鳥文庫小説賞、第8回徒然草エッセイ大賞、ほか
2025.2.14更新　発表：第11回林芙美子文学賞、第21回坊っちゃん文学賞、ほか
2025.1.31更新　発表：第28回伊豆文学、第20回木山捷平短編小説賞、ほか
2025.1.17更新　発表：第10回藤原正彦エッセイコンクール、第59回北日本文学賞、ほか
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2024.5.10更新　発表：第23回女による女のためのR-18文学賞、第40回太宰治賞、ほか
2024.4.26更新　発表：第11回日経・星新一賞、第67回群像新人文学賞、ほか
2024.4.12更新　発表：第18回小説現代長編新人賞、第129回文學界新人賞、ほか

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